モンスターハンター 蒼風の導き

□第一章 秘湯地
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 ゆっくりと目を開くと、そこには見馴れない天井が広がっていた。
 ぼんやりと眺める天井は、とても頑丈そうな木で造られており、ちょっとやそっとでは崩れそうにない。
 ただ、気になるのはどことなく感じる、清潔感のある雰囲気だ。
 無意識に体を起そうとすると、全身を激痛が襲う。
 途中まで起していた体をベッドの上に倒すと、体中に包帯が巻き付けられていることに気付く。
 ボンヤリとしていた頭が、その痛みで一気に覚醒する。
(……そういえば私、ジンオウガの攻撃をまともに受けて……。それで――)
 ジンオウガと対峙していたときの光景が、脳裏にフラッシュバックする。
 ジンオウガの前足の攻撃。鞭のようにしなる尻尾。前方へと放たれる電気を帯びた球体。
「……圧倒的って、あいつみたいなことを言うのかな」
 らしくない弱気な発言に、自然と笑いが零れる。
 全身に巻かれている包帯の中でも、左手だけは他以上に厳重に巻かれている。
 彼女の最後の攻撃を弾いた後の、ジンオウガの攻撃によって折られてしまったようだ。
「………情けないなぁ。私」
「あら?起きていたの?」
 
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