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□Una ragnatela
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「お、俺は…っ…!」

頭の中へ直接流れ込んでくる断末魔。
自分の目の前の人物は次々に倒れていく。
足を進めるたびに響く
ビチャビチャと言う血肉を踏む音。
周りは炎で包まれ
焼け焦げていく人々…
表面の皮膚が焼けただれ
内の筋肉の筋が表れ
見るも無残に炎に包まれていく。
人間が焼ける独特の臭いと
唇につく人間の脂肪が焼けた脂っぽさ…
グローブ越しに握りしめたナイフから
ポタポタと血液が滴り落ちていた。

綱吉!?ボス!?ツナ!?ボンゴレ!?沢田!?十代目!?ツナ…!?

雲雀、クローム、山本、ランボ、了平、獄寺、リボーン…
皆眼孔を見開き、まさかとでも言いたげな表情をし
腹にささったナイフから溢れだす血液を止めるように
傷口を押さえながら
音をたてて崩れ落ちるかのように倒れていく。
そこへ追い打ちをかけるかのように
人物めがけて放たれる炎…
炎の向こう側に立っているのは


自分


「うわああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

綱吉は頭を抱え自分が犯した罪の重さに耐えきれず
狂ったように叫んだ。

「綱吉、大丈夫、落ち着いて下さい」
「ヤダ、嫌だ、骸、俺っ、俺っ!」
「綱吉にはもう僕しかいない、そうでしょう?」
「嫌っ、怖い、俺、みんなを…骸、骸っ」
「…綱吉?君がもし僕を拒むと言うのなら
僕は死んだって…君の傍からいなくなっても良いんですよ…?」
「ヤダ!!お願い、骸、一人に…しないで…っ」

綱吉は涙を流しながら骸の服の裾を必死に掴んだ。
骸の右目が一の文字を宿していることにも気付かずに…


「大丈夫ですよ、綱吉…君が望むなら僕はずっと傍にいます。
愛していますよ、綱吉」
「あい、してる?」
「えぇ、愛してます。
君を一人になんてさせない」
「よかった…良かった…」

綱吉は骸にしがみ付き
良かったと呟いた。
骸は綱吉の小さな体を優しく包み込み
愛の言葉を囁く。
自分の歪んでいるであろう笑みを見せぬように…と。


-これで君は僕のものだ-






蜘蛛の巣に絡まった蝶は必死にもがきました。
ですが巣の糸が揺れれば揺れるほど
蜘蛛は蝶の居場所へと向かってきます。
最終的に蝶は蜘蛛の糸に絡まり
そこから抜け出せず
蝶は蜘蛛の餌食となるのです。





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