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□死刑囚の末路 プロローグ
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2008年 5月15日 
彼の死刑は執行された。

津村
高田
岸川

彼ら三人の目の前で。

いや、正確には

執行された筈だった。




ピッピッーーーッピッピ…


目を開けるとそこは白い天井だった。
僕は、死刑になった筈。

だとしたらココは、地獄か?

ハハハハッ!!

愉快だよ、実に愉快だ!

「目、覚めたみたいね。」

「…。」

突然声をかけられる。
女性の声だから、天使だろうか?
いや、堕天使か…?

「ここ、病院です。わかりますかー?」

妙にやる気ない天使だな、
と思っていたり
躯が動かないな…、さすが地獄だ…と心の中で嘲笑していると

「竹神?もしもし?」

「っく…、なに…病院…?」

「はい、そうです〜、喋れますか?」

躯が石のようで…、喋るのは少し辛い。

「こんにちは、死刑囚375番、竹神貞次郎。
 ご機嫌いかが?」

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