その他

□幸せのライン
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秋も深まり肌寒い朝、レッドは散歩をしていた。

なんてことはない、ふと目が覚めそのまま寝ることが出来なかったのだ。
まだまだ自然の多いマサラタウンの木々は皆赤や黄色に色づき、レッドが踏みしめる地面もカラフルな絨毯が敷き詰められていた。


少し森の中に入ると、町とは違う空気感が立ち込めている。物音ひとつしない静寂、うっすらとかかる朝もや、それでいて耳を澄ませばポケモンたちの寝息が聞こえて来そうだった。


マサラタウンに帰ってきてからは久しかった雰囲気に、レッドの歩はいつの間にやら進み、気づくと森の深くまで来てしまった。
鬱蒼と生い茂る木々で、自分のいるところが分からない。つまりは迷子だ。


プテに飛んでもらえば簡単に帰ることができるのだが、この静寂を壊したくはない。
丁度今日は時間がある。

そんな理由から、レッドは歩いて森を出ることにした。
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