Dグレ
□【聖なる夜に口付けを】
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カツン…と音を立てながら、鍛練場の奥へと歩いて行く。
「神田〜?」
シーン…と静まり返る場。
真ん中辺りで歩みを止めた。
(本当に居ないのか…もしくは居ないふりをしているのか)
アレンはそう思うとニヤリと口元に笑みを浮かべた。
「神田……いい加減出て来ないと
教団のみんなに神田の恥ずかしい映像ばらまきますよ」
脅迫めいた台詞。
実際にそんな事はしないが、神田が聞いたらすっ飛んで来るはず…
ガタンッッ
「モヤシ!てめぇ、何考えてっ…!!」
案の定。隠れて居た場所から顔を真っ青にした神田が大きな音を立てて出てきた。
(相変わらず単純なんですから)
クスクスと笑みが零れる。
「はい、見付けた。探したんですよ?」
「はぁ?んな事よりさっきの…」
「ああ、嘘に決まってるじゃないですか」
「んなっ…?!」
にこにこと笑いながら、近付いてきた神田の手を掴む。逃げないように腰にも手を回して身体を密着させた。
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