花帰葬
□【未来を夢見て】
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──ずっと、一緒に居よう?
そう、お前に言われた時
何故か、俺は頷く事が出来なかった
【未来を夢見て】
「玄冬?」
名前を呼ばれてハッと目を覚ます。どうやら、考え事をしている内に眠ってしまっていたらしい。
「ああ…悪い。寝てたみたいだな」
「…うん」
いつもより低いトーン
ふと花白を見れば、複雑そうな表情
「花白…」
「っ…こんな所で寝てると風邪引くよ?!ちゃんと、ベットで寝なよ…じ、じゃあ…!」
俺の呼び掛けにビクッと震え、俺から逃げるように去る。
(無理もない、か…)
アイツの願いに俺は頷いてやる事が出来なかった。いや…頷く事は出来ない。
お前は…"救世主"なんだろ?
俺たちは…
水と油…相容れない
ずっと一緒には
居られない
そういう…宿命なんだ
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