花帰葬
□【君の居ない箱庭で】
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寝ても覚めても
僕の瞳に映るのは、君だけ
【君の居ない箱庭で】
「ねぇ、玄冬…君は今どこにいるの?」
ぼんやりと庭を見つめながら、僕はうわ言のように呟いた。
箱庭の崩壊は、君の"死"と引き換えに止まった。
自分の事しか考えない奴等は君の事なんか忘れて、歓喜を上げている。
ねぇ…君が居なくなったこの世界で
僕はどうやって生きていったらいいんだ…
僕の唯一の…居場所がキミだったのに
「……っ…ヒッ…ク」
ストン---と、その場に崩れる。散々泣き明かしたというのに、哀しむ心が泣きやもうとはしない。
「…玄、冬…ッ」
(会いたい)
(会いたいよ…玄冬)
願っても会えない。
自分が手にかけてしまった、大切な人。
後悔しても、しきれない。
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