Dグレ
□【聖なる夜に口付けを】
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聖なる夜に
愛しい人と過ごしたい
そう思うのは、
当たり前な事でしょう?
ねぇ、神田………
【聖なる夜に口付けを】
「…う〜…寒い」
ブルッと体が震えた。
今日は12/25…俗に言うクリスマス。一年に一度の祝いの日だけあって教団内は賑わっていた。
アレンにとっては、他の人間とは別の意味で特別な日だが。
カツンカツン…と歩く音が耳に響いてくる。
人が集まっている場所からだいぶ離れた証拠。
「うーん…この辺かな?」
着いたのは、薄暗い鍛練場。キョロキョロと周りを見渡してみる。見える範囲に姿はない。
部屋に会いに行っても彼は居なかった。(多分、ラビやリナリーから逃げたんだと思うけど)だとすれば、行き着く所は此処だろうと思って来たのに。
「神田ー?居るんでしょう?」
名前を呼んでみる。わざと足音を立てるように歩いているから、居るなら気付いている筈だ。
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