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□短編(ブログ掲載物)/汐宮
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【ろ零 お正月(2011/01/02掲載)】
朝、目を覚ますと、いつもの天井が見えた。
年が変わったといっても、特別何かが違うわけじゃない。
零夜はベッドから起き上がった。
同室者の宮はいない。
昨日緋宵のところへ遊びに行って、それきり帰ってこないのだ。静かでいい。
顔を洗って着替えてから、適当にテレビをつける。
宮もいないのに、お雑煮やらなにやらを作るのも面倒だ。
もう少ししたら、ろととケイトを誘って初詣にでも行こうか。
そう考えていると、インターホンが鳴った。
意外な訪問者に零夜は驚く。
「ろと?あけましておめでとうございます」
「おうよっ。今年もよろしくな!」
ろとは笑顔を見せて、一枚のハガキを出した。
「ほい、年賀状!」
年賀状を手渡しされて、零夜は困ったように笑う。
そういえば、去年も一昨年もこうだった。
「ありがとうございます。私のは、今日中に届くと思いますよ」
「おう。つーか今ヒマか?」
「ええ。何もありませんよ」
「そんじゃケイトんとこ行こうぜ。雑煮食えるってよ」
「ケイトが作ったんですか?」
「らしいぜー。飯、もう食ったか?」
「まだです」
「んじゃ丁度いいな」
「そうですね。ごちそうになりましょうか」
零夜が言うと、ろとは彼の手を無造作に掴む。
ろとに引っ張られて、零夜はケイトの部屋へ向かった。
fin.