東京ANGEL二創作小説
□頂き物
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「次、オレサマ山崎が歌います!! 砂田萌で、スノウ・レイン」
場所はカラオケ。
二階堂が見つけたというカラオケで二次会の真っ最中だった。
「山崎はアイドルが好きなんだな。さっきからいれている曲はすべてそうだ」
「そーなんすよ。山崎の場合好きがもうオタクの域に達しそうつーか。この前も砂田萌の載ってる雑誌破かれそうになったんスよ……」
「あはは、それぐらいならまだいいじゃないか」
いつの間にか仲良くなったらしい二階堂と東海林が楽しそうに話している。
見てみれば、紺野も牧内などの男子と話しこんでいるし、土岐も2年の女子に囲まれていた。
どさっとソファの右側がいきなり沈んだ。座り込んできたのは尚也だった。
「ひーじりーvv」
瞬間、その場の空気は凍りついた。
いくら場の雰囲気が和んでいたといっても、あの津田聖のファーストネームを呼び捨てするのは衝撃だった。
注目を集めた尚也は、そのことに気付いていない。
ソファに寝転がり頭を聖の太ももの上に乗せて、所謂膝枕状態をつくった尚也の息は予想通り酒くさかった。
(何を飲んだんだ?)
聖は溜め息を吐き、尚也の持ってきたグラスに鼻をよせる。
サクランボとアルコールの匂い……キルシュ。飲みやすさとは裏腹に結構強い酒だ。
こんなものを飲むから酔っ払うのだ。家ではビール一杯くらいしか飲まないくせに。