保健室の死神
□カタチ
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今からでも遅くない。
気に入ったものは、手に入れて見せるさ。
―――なぁ、麓介。
##カタチ##
ハデス先生と初めて会ったのは、学校での事じゃない。
本当は、昔一度だけ会ったことがあった。
ほんの少しだけだけど、喋ったこともあって、また会えて嬉しかった。
当の本人は、覚えてなかったけど。
「ハゲ!ハデスには手をだすなよ!」
麓介も、ハデス先生が好き。
だから、邪魔なんだ。敵は、イラナイ。
「何を言ってるんだ?私は、別にそんな気はないぞ」
「ごまかすな!お前が、ハデス狙ってるのは分かってんだよ!
お前のアイツを見る目がそうなんだよ」
「分かってるなら、お前が手をださないで欲しい。私は、ハデス先生を手に入れるよ」
――必ずね。
「嘗めんな!」
そう言い残すと、踵を返し部屋を出ていく。
*********
「おい!ハデス」
「何かな?藤くん」
「お前、山蔵には近づくなよ。……いや、俺以外の男にだ!
約束だぞ!」
――俺の方が、こいつとずっといて、あいつは毎日の様に会えるわけじゃなくて。
それは、俺の方が有利ってことで。
だから、俺だって諦める気はない。
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