保健室の死神

□ただ君に
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人を好きになるのは自由で、恋をするのも自由。
同じだって思うけど少し違くて、今俺は恋をしてるんだって思う。


ただ君に


今日、意を決して決めた。
あいつに好きだって言う。
生徒だからとか、男同士だからとかそんな事言わせない。

俺が好きなもんは好きだから。

いつも通りの休み時間。
やっぱりいつも通りのメンバーで昼飯を食べて、

そして――――

「あれ?藤君、チャイムなったよ?」

「いーのいーの」

「っは!まさか、どっか痛いの?」

「違うって!」


―――いつも通りの会話。


言うんだ、決めたから。

「なぁー、ハデス」

「ん?何?」

呼べば答えてくれる。
それだけで嬉しくなる。


「ちょっと、こっち来てよ」

「少しだけ待ってくれる?後少しで終るから」

「――5分ね」


チクタク、チクタクと時計の音がする。
あれから、どれだけの時間がたっただろうか。
俺は、いつの間にか寝ていたらしい。
まだ重たい瞼を擦り、ハデスの方を見ればまだ作業をしているみたいだった。

ギシッとベットの音がする。

「あ、起きた?仕事終わった時、藤君寝てたから……」

「あぁ、ゴメン」

「いいよ。で、用事あるんでしょ?」

そう言ったハデスは俺の方に歩いてきて――。

「悩み事?」

「そうとも言うな。なぁ、こっち座ってよ」

向かい側に座ろうとしたハデスを俺が座ってるベットに座らせる。

「俺が何を言っても受け入れてくれるよな?」

「話し次第だけど、受け入れるよ」

少し悩んだ後、パッと笑顔になる。
生徒からの相談だ、嬉しがらないわけない。

「じゃあ、聞けよ?」

「う、うん」


――――――

「俺は、お前が好きだ。お前は?俺の事どう思ってる?」

少しの沈黙の後、そう吐いた。

「っへ?」

ハデスは間抜けな声をだした。
当たり前だとは思う。
でも―――。

「ハデス、お前は?どう思ってる?生徒とか、男同士だとかそんなの抜きで、どう思ってる?」
「僕は教師で「教師とか、関係なく、考えて」」

ハデスの肩を掴めば、ハデスは目を泳がせた。


「僕は教師で、男同士だし……でも、僕も藤君の事、そのす、好きだよ。」

「本当に?」

「う、うん」

照れたように笑うハデスを見ると嬉しくなって、俺はハデスを抱きしめた。





END
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