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□10.みんなの幸せを…
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「マスターの事は心配いりません。セレニティ様」


声がしたかとおもったら、衛のジャケットのポケットから、四人の影が現れた


う「あなた達は…」



「「「「クンツァイト・ゾイサイト・ネフライツ・ジェダイト」」」」


衛「おまえ達。勝手に出てきたらダメじゃないか!驚くだろ!」


そう、ベリルに操られ、肉体が滅びた四天王がそこにはいた

う「まもちゃん。この人達は…」

衛「今まで言ってなくてごめん。肉体が滅びた後、石にこうして意識だけとなって、私の側にいたんだ。」

う「そう…あなた達…今までまもちゃんを守っててくれたんだ。ありがとう」


クン「めっそうもございません。セレニティ様。私達は肉体がない身。できる事は限られています。しかし、マスターには我々がついているので、セレニティ様はこれからのことはどうか心配なさらずに。」


う「ありがとう。クンツァイト。あなた達がいれば、寂しくないわね」


そう言って四天王に微笑みかけた


クン「あなた様には、申し訳ないことをいたしました。一言、お詫びしたかったのです。私達が、ベリルに操られたせいで、お二人を…」


う「もう、終わった事はいいのよ。」


うさぎはそう言って四天王に微笑む


クン「・・・ありがとうございます」


クンツァイトと他三人はうさぎに頭を下げる


クン「マスター。もう少しいいですか?」


クンツァイトはそう言うと、衛の返事も聞かずすーーーっと動きだした













そして、美奈子の前で止まり


クン「お久しぶりでございます。ヴィーナス殿」

美奈子は目を見開き、後ずさった


夜「…愛野?……」


美奈子の隣にいた夜天は、美奈子の腕をつかみ止めた

後ろに棚があり、ぶつかると思ったからだ


美奈子は無意識に、自分の腕をつかんでいる夜天の服の裾をギュッとつかんだ


その手は、微かに震えていた


夜「……愛野…」


夜天は心配そうに美奈子を見つめる


クンツァイトはそんな美奈子を見つめ・・・


クン「怖がらせて申し訳ありません。私はヴィーナス殿にも、一言謝りたかったのです。申し訳ありませんでした。あなたの大切な姫を傷つけ、あなたまで…」





美「……今さら…何よ・・・」





美「…私は・・・私は・・・あんたを絶対に許さないんだから!!」


美奈子の口調は段々強くなった


美「大体何よ!あんだけ、マスターマスター言ってたのに、そのマスターを信じる事が出来ずに、あの女に騙されて!あんたは、バカよ!!大バカよ!!!」


美奈子の目には涙がたまっていた


クン「そうだ。俺は大バカだ! 自分が弱いばっかりに…ベリルにつけ込まれ……大事な主君を傷つけ……」




クン「そなたは、強かったな…」




美「当たり前よ!あんたなんかと一緒にしないでよね!」





そう言って、美奈子はクンツァイトを睨みつける……




「「…プッ…」」



どちらともなく、二人は吹き出した



クン「そなたは変わらぬな。」


美「は?あなたのしらない間に、私はまた強くなったんです!」


クン「そうか。それでは、お手合わせを…と言いたいとこだが」



美「無理ね!その身体じゃ…」



美奈子はクンツァイトを見つめていた

その目は先ほどとは違い、愛しい人を見る目で…


クン「ヴィーナス殿…お慕いしておりました…」




そう言ってクンツァイトは美奈子の頬に触れようとするが、実体がないので、叶わず・・・


美「私は……愛野美奈子は・・・・あんたなんか、大っ嫌いよ!!」
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