拍手ログ
□みそ汁
1ページ/1ページ
「厨房からいい匂いがすると思ったら君か。今度はなに作ってるんだい?」
「みそ汁よ」
「えー?またそういう、お腹にたまらないものを」
「みそ汁をなめちゃいけないのよ、神威。古今東西、男の胃袋を掴むのはお袋の味って相場が決まっているもの。さあ食べてご覧なさい」
「俺の胃袋掴みたいの?」
「ち、違っ…!私の料理がおいしいって認めさせたいだけ!」
「ふーん。いただきます」
「どうぞ」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………どう?」
「悪くないよ」
「そんな微妙な」
「正直よくわからないんだよネ。お袋の味って言うけど、俺の故郷地球じゃないからさ」
「はっ!しまったぁぁ…!」
「……母親の料理なんて食べたことないし」
「え?なに、聞こえなかった」
「なんでもない。とにかく今日のところは、まだまだ及第点とはいかないな」
「くうっ…!あーあ、じゃあこれは地球出身組の鬼兵隊にあげてこよう」
「それはダメ」
「うわっ!あ、ちょ、待っ…!ああああ鍋が空っぽに…!」
「俺のために作ったんだろ?他の奴らに食べさせるなんて許さないよ」
(ドキッ…!)
2012年4月〜