とれじゃー!

□穏やかな休息
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「い〜い天気だなぁ〜…」


「…元親。」


「こんな日は、なにもしないに限るぜぇ〜…」


「……元親。」


「あ゙ぁ〜…最っっ高の昼寝日和だ…」


「…っ、元親!」


「お?どうした政宗。」


「どうしたじゃないっ!そろそろ退けよ、足がしびれた!!」


退けよというのは、政宗が元親に縁側で膝枕をしてやっているという今のこの状況にあった。


「んー、もーちょい。」


「三回目だぞ、その台詞。」


んー、と生返事を返しながら政宗の膝の上でごろりと寝返りを打つ元親。


「ちょっ…ゴロゴロするなよ、くすぐったい!」


「そーかぁ?」


言うなり、ごろごろぐりぐりと政宗の膝の上を転がりまくる。


「あっ、ちょ、だからくすぐったいって…!」


「秘技・俺ローリング!」


「い゙っ!?…ちょ、痛い痛い痛い!!元親、石頭痛い!!」


何すんだよ!と怒りたくなる政宗だったが、元親の幸せそうな笑みを見ていると、その気も失せた。

まったく、無邪気というか何というか。


「あぁ〜…俺今、めちゃくちゃ幸せだ…」


もう一度寝返りを打ち政宗の方を向いた元親は、今度はぎゅむっと政宗の下腹部に顔を埋めてきた。


「えぇ?!も、元親っ…!」


それはさすがに勘弁…と言い掛けたところで、政宗は元親の異変に気づいた。



「……寝てやがる……」



スースーと規則正しい寝息が聞こえてくる。


なんというか、そこで寝られると非常に困るのだが。


「ったく…」


ふぅとため息を一つ吐き、政宗は眠る元親を見た。


よくそんな状態で呼吸出来るなとか、つーか寝息が当たってるんだが、とか色々言いたいことはあったが、



まあ、今だけでも寝かしといてやるか――…



結局、その結論に至ってしまった。


心地よい風が縁側を吹き抜ける。
穏やかな日の光とどこからか香る芳しい梅の香りに、政宗が意識を手放したのはそのすぐ後のことであった。



End_

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