□逆転遊戯
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「さぁ、清雅」


艶やかに薫る夜の風に煽られた帳から覗くのは、寝台の上に横になった清雅と、その上に馬乗りになった秀麗。
屈辱に顔を歪める清雅とは対照的に、秀麗は楽しげに、艶やかに唇の端を上げる。

「…腹を括りなさい。」

「くっ」


秀麗は左手で清雅の頬を撫でるとそのすぐ脇の寝台に体重を掛けた。右手で清雅の下肢を布越しに触ると硬さが増した。
それに気を良くした秀麗は清雅の唇に口付けた。

ゆっくりと唇を舐め上げ、薄く開いた間から舌を滑り込ませて蹂躙する。
が、


清雅は秀麗に抗うように対応しない。

くちゅりと音を立てると秀麗は上体を起こして指で唾液を拭った。

「もうっ。清雅ってば往生際が悪いわねー」


右手にぎゅっと力を入れると、清雅の体がビクンと跳ねた。


「はん、下手くそめ」


「あーら、初めてだから仕方ないじゃないの。その下手くそに硬くしてるあんたは何なのかしらねー?」


揉みほぐす度に硬くするソレに、秀麗は自分の下肢を擦りつけた。


「ン、」


秀麗も伊達に何年も花街で下働きをしてはいない。
姐さん達がするように、腰を動かして緩やかな刺激を与える。そして着物の合せをずらすと、肌にも唇を這わせた。


肌に唇を押し当て、吸い付く。
紅く跡が着くのを秀麗は満足げに頷き、胞に右手を差し入れると、高ぶりを直接握り締める。そして上下させると清雅は苦しそうに呻き声を上げた。


何故、こうまでされて清雅が抗わないのか?
それは、秀麗とした取引だからだ。



『おい、そろそろ…な?』

付き合い始めて一週間。
まだまだ清い関係に焦れた清雅は、就業時間にも関わらず、秀麗を壁際に追いやっていた。


『あ、あーら清雅。今はお仕事中よ?こーんなことしてサボっていたら長官に怒られちゃうわよ?』

『なーに、勤務時間外も必死に働いていて、今当たってる仕事にも一段落ついたんだ。皇毅様だって文句いわないさ…』

そして重なる唇。
いや、重なろうとしていたのだが、手が邪魔した。

『…………秀麗』


『…やっぱ無理』

『そう言ってもう一週間だぜ?』

『じゃあ…明日は公休日だから…』
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