PERSONA3 AFT 黒い棺

□第三章
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【マンション“Nap":ロビー】





「って訳なのよ」


ソファーに寝そべってお経の様な民謡を大音量で聴いてる管理人が作った朝食を、カウンターで食べながら彼に昨夜の事を話した


明らかに別のジャンルの料理同士が入り混じった混沌としたゲテモノ料理(本人談)だが、美味しいには美味しい

何か悔しい


「……」


向かいの彼も黙々と食べているが、話を聞いている気配は伝わる


「…やっぱり愁君は見なかったの?  夢」


「……はがくれでラーメン食べてる夢なら」


「…あーはいはい」


まぁ彼のせいじゃないけど…


「こう言うのは君が一番敏感そうだけど」


「…山岸や荒垣先輩とは連絡したの?」


「うん やっぱり私達、同じ夢見てたみたい」


「じゃあやっぱ本当にあった事なんじゃないの」


「うん…でも何で…」


また何かの前兆なのだろうか

以前の様な


「…御馳走様」「さま」


「毎度ありー」


狩野さんは弾みを付けて飛び起き、ヘッドフォンを外して私達の手元からお皿を取り上げると流しに置いて水に浸した


「なーんの話してたの?」


「っ昨日の夢の事です」


「知り合いと同じ夢見てたそうです」


コップから最後の一口を飲んだ彼が続ける


「彼氏以外の野郎が夢に出るなんてゆかりも」
「 違 い ま す 」


何でこう一々突っ掛かるかなぁ

どこぞの顎鬚侍ならその場で黙らせられるのに


「まぁどっち道起きてる間は旦那がベッタリだから、釣り合いは取れるんだろうねー」


彼はさっさと自分の部屋まで行ってしまった


「…狩野さんまた彼に何か変な事でも言ったんですか?」


微かに苛立ってる気配がしますが

まぁ彼は元々人付合い苦手…と言うか、面倒がる方だし


「ん〜? 別に〜?」


油が少ない箸やコップを先に洗っていく


「強いて言うなら初日の“アレ"が効いちゃったかにゃ〜?」


「…嫌な事思い出させないで下さい」


「あいつ見た感じ独占欲強そうだし? 御機嫌取っといた方がいいかもよ?」


…そんな事で不機嫌になってもあから様に態度に出す人じゃないと思うが


「じゃ、私も歯磨いて行きますね」


「はいはい行ってらぁ」






「おはよう姉さーん、今日も美人だねー」


「その美人からのお願いよ、高校生が一丁前に寝坊してんな」


「ひでぇ」


「世の中学校に行きたくても以下省略、この前だって電柱だかアンテナだかに磔にされた可哀想な女子高生だっているんだよ?」


「何それ? ドラマ?」


「ニュース見なさいよ 社会勉強」


「はいはい…ってそうだ、今日俺学校休み」


「何でぇ」


「学校の一年生で事件だって朝早く連絡網回って来た 噂じゃ無気力症状かもって」


「…その連絡網、あんたはちゃんと回したの?」


「!!!やっべ忘れてた!!!」


「馬ー鹿」



ちなみに無気力症の高校生が出た事は既に知り合いから聞いていた

管理人の顔の広さ嘗めんなよぉ 焼けついてるけど
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