book
□スパルタ教育
1ページ/1ページ
キスは全部ボスが教えてくださった。
ちゅ、とわざと音をたててボスは私の唇からから自分の唇を離した。
まだ慣れず息が整わないため呼吸を繰り返す私に比べ、ボスは蜂蜜を溶かしたような瞳をゆっくりと細め、口の端を綺麗に持ち上げて意地悪に笑う。
「そんな困ったような顔すんなよ」
もっとしたくなるだろ?そう言いながらボスは私の頬を撫で、またその行為を再開した。
最近のボスは、私を困らせる事を楽しんでいる傾向がある。
それは私がボスの事が好きだからで、ボスは私が自分を拒まない事を知っているからで、傲慢な考えだと言われるかもしれないけどボスが私の事を好きだから。
触れるか触れないかの焦れったさが憎い。
触れたと思えばそれは離れ、欲しくて仕方がなくなるとまた戻ってくる。
上唇をついばむボスの唇の温度が熱く、さらに溶けた舌が差し込まれ、私は思わずびくりと身体を震わせてしまった。
にたり、とボスが笑う。
「俺が全部、教えてやるよ」
スパルタ教育
ボスは教えることに妥協しない
.