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□どうすればいい?
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『誰にも言わないで下さい』


吉男に言われたことを考えていたけど、俺だけ知ってていいことじゃない。

だけど、あんなに真剣な吉男を見るのは初めてだから、どうすればいいのか分からなかった。


「樹、どうした?」
「あ、いや…その……」


吉男のことで頭が一杯で、犬マンの声に気付かなかった。

犬マンには、話しても…。
いや、やっぱり駄目だ。


「何でもない」
「何か、あったのか?」


俯いている俺の顔を覗き込んだ犬マンは、心配そうな目をしていた。

この目には、弱いんだ…。

この目を見ると、何でも話してしまいそうになる…。


「犬マン。もし、もしもだけど…」
「うん」
「大事な仲間が、何処か…例えば心臓が悪くて、でも元気に振る舞ってるとしたら、どうする?」
「樹…?」
「例えば、だよ」


そう言えば、犬マンは顎に手を当てて考え始めた。

例えばとか言ったけど、本当のことだ。
勘のいい犬マンだったら、下手したら気付くかもしれないな…。


「心臓だったら発作が起きて大変だけど、そのままでいいんじゃないかな」
「え…?」
「誰にも言うなとか、言われたんだろ?」
「ッ…!」


優しそうに微笑む犬マンに、殆ど全てを知られたのかもしれないと思った。


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