本棚T
□年上の恋人
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店が終わって、犬マンが俺の部屋に来たいって言ったから、連れてきたまでは良かった。
途中のコンビニで買った酒を、控えめに飲んでいた俺に対して、犬マンはかなりピッチが早かった。
そのせいか…。
「おい犬マン、飲み過ぎだぞ」
「んぅ…」
案の定、酔っ払った。
あの動物…、クラブ・インディゴのメンバーの中では、強い方だと思ってたんだけど…。
「いつき〜」
へらへらしながら俺の方に缶をちらつかせて、犬マンはテーブルに突っ伏した。
顔を横に向けて、俺を見上げる犬マンの目は、酔っているせいなのかとろんとしていた。
…俺、一応健全な男なんだけど、な…。
「犬マン、そろそろ寝るか?」
そう言いながら、犬マンの腕を肩に回して立ち上がらせた。
酔っ払ってはいるものの、比較的軽いことに少し驚いた。
ベッドに寝かせようとしたら、いきなり強く引かれて二人して寝転がる形になった。
「ッ、何するんだよ!」
「樹、一緒に寝ないか?」
「…は?」
仰向けになって俺の首に腕を回してきた犬マンに、その上から動こうとしていた俺は固まってしまった。
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