本棚・弐
□みどりの温度
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数分前から後頭部にじーっ、と視線を感じている。
…我輩、何か悪いことでも?
みどりの温度
「クルル、……どうかした、でありますか?」
「あ?別に?」
床で胡座をかいてネトサする我輩、ベッドに体育座りして枕を抱きながら我輩を見下ろすクルル。
「別に…ってさっきからものすごく視線が痛いのでありますよ」
むずむずしながら我輩が振り向くと、クルルは枕に顎を埋めて素っ気なく「こっち見んな」と一言返す。
怒ってるのとは違うのだと思うが、気にかかり仕方がない。
今日は何か特別なことがあっただろうか?
…いやいや、考えても思い当たらんであります。
「クルルー?」
「あー」
「…振り返っていい?」
「何で」
「我輩ばっか見られてんのも狡くない?我輩もクルル見詰めたい!」
「じゃあ駄目だぜェ、変態めが」
「変…!?ってちょっとぉクルルー!!」
「どさくさに紛れてこっち向きやがったな」
「ゲーロゲロ☆我が策成れりであります!」
ベッドに片肘を乗せて笑うケロロに、クルルも口角を上げた。
「…クルル、もしかして眠たい?」
「それなりに」