本棚・弐

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翌日、周囲が止めるのにも任せなさい、の一言と笑みで片付けて大佐は一人でそこへ降り立った。

棄て子星。

悪趣味な呼び名だが、この惑星の実情を知る誰もがそれを否定出来ない。

遠い遠い過去の大きな戦禍に、星一つ、死んだ。

人に置き去りにされたそこに、いつの間にか、人が置き去りにされるようになった。
星が人を呼んだのか、人の業が時間の経過と共に醜く成長したのかは解らないが、いつしか“不要な”子供達が捨てられ、生きるようになっていた。

一人彷徨う彼は、侘しい草木と建物だったものの残骸ばかりが残る荒れ果てたままの地の端々に、命が息づく気配を感じる。

「やれ、早速…」

ドウン!と爆音じみた音が幾つも近付いてきて、大佐は瞬く間に改造ソーサーに囲まれた。

「…一人…か?
何しに来た?正直に吐かねぇと酷ェ目見ることになるぞ」

リーダー格らしき十代半ばから後半と言った少年が口を開いた。
アフロを細いカチューシャで留めて、手には玩具にも見える改造銃。
サングラスの奥の目は中々男前のようだ。

「おっと物騒だ!
唐突の訪問、失礼つかまつる。今日は貴方達の女王様に謁見願いたくお邪魔したのだが」
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