本棚・弐
□電波日和!
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想像して再び足を揺らす。
(しおらしくしてれば、…まあ、してなくてもだけど…可愛い奴。)
思わず口許が緩んでしまった。
顔は腕で隠しているとは言え何となく気恥ずかしく思い、きりりと表情を整える。
(…クルルが見てたら鼻で笑われる…あ。)
くつくつと、気に障る笑い声が鮮明に鼓膜に蘇ってきた。
(…んーとどうしよう、
何かすっげ、超会いたい…)
頭を抱えて密かに足をばたつかせる。
会いに行きたいと落ち着かない脚とソワソワする視線。
あと、三十一分。
顔を上げれば、昔の文人のジョークの何が面白いかを解説する教師。
(あんまりだ。)
ボケを解説されるなんて物書きには辱めも良いところだと思い、やはり抜け出そうと鞄に手を掛けた。
「っ…!」
タイミング良く携帯がポケットで震えて焦った。
そっと机の陰でメールを確認する。
『変な電波飛ばしてくんじゃねぇよ、ヘンタイ
真面目に低俗な授業でも受けとけ@皿@+』
(……、
…恥ずっ!!)
センセー緊急事態です暴露てます帰っていいですか!
舌の先まで出かかったが、メールに続きがあることに気付いてスクロール。