本棚・弐
□星の瞬きも露と消え
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「はーっはっはっはっ!むう、ラビーはドコだァ!!」
星の瞬きも露と消え
地球人で混み合った夕暮れ時の商店街、人の波が割れる。
その中心には濃い笑顔を遺憾無く発揮する556。
いつも一緒にいるウサ耳が目印の可愛い妹の姿が見えない。
もう長く知った街である。まさか迷子という訳ではないがラビーとはぐれてしまった彼は帰るに帰れずに居た。
「…ム!」
目の端に商店街を抜けた角を曲がる綺麗な金髪が見えた。気が、した。
ぐりん!と勢いよく首をそちらに向けた556を通り過ぎる人々がこそりと見遣る。
地球・日本と言う国でそんなに見る機会のない髪色だ。
「おいラビー!ドコへ行くんだ、とぉおう!!」
バッバッとポーズを決めて跳ぶように走り出す。
その様を年末の忙しさに追われる地球人たちはまた、横目に伺うだけであった。
角を曲がると、また金髪が奥の角を折れたところだった。
「ハッハッハッ!お兄ちゃんを置いてドコに行こうと言うんだ、ラビー!?」
「誰がラビーだって?」
金髪を追って556は人気のない道に出た。そこで返事を返したのは、超空間移動のゲートを開いた金髪、眼鏡の青年。