本棚
□裏譚・ニンギョヒメ
2ページ/8ページ
クソ、失態だぜぇ。
いいカモだった筈が、とんだサギ師に化けやがった。
裏譚・ニンギョヒメ
「ふ〜ん…抵抗とかしないの?…OK、ってこと?」
ケロロが意外そうな声で問う。クルルはわざともう一度、盛大な溜息を吐いてみせた。
「んな筈ねェだろ?後ろから拘束しといてよく言えるなぁ。…言っとくが俺は高ぇぜ〜?」
「ゲロ!?え、またッスか!?」
「当〜然。ギブアンドテイクって奴?」
「…ギブアンド、テイク…。」
…ゾクッ!
背後の気配が、不穏な物に変化した気がした。
「わかったであります☆
じゃ、クルルがきもちくなればなるだけ、安くなるんでありますな?」
「…………は?」
背後の奴なんか見えないが、多分。
裏のなさそうな裏全開の笑顔で、変なこと言い出しやがった……。
「え〜、クルルは本気高そうでありますからな〜…。…何回くらいイかせれば帳消しになるんだろうね?」
「……っ違…何勝手に…っ!」
生温い湿った感触を耳の裏に感じ、思わず言葉が詰まる。
そのままソレは首を伝って肩まで滑る。ローブを右肩だけずり下げられ、所々唇が吸い付きながら肩甲骨まで下った。