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□演習場にて。
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クルルに迫られるが、ギロロは困惑気味である。
「こんな所で何を言って…」
「喰いたい時が美味い時、だぜぇ」
クルルがギロロのベルトに手を掛けてくる。
誰がいつ来るかも分からない演習場だ。
こんな場面を誰かに見られる訳には、いかない。
思わず、
ギロロは手に持ったままの銃を、クルルの眉間に宛てていた。
「…やめろ、クルル。」
クルルは無表情でギロロを伺って。
やはり、またいつもの嫌味な笑顔に戻る。
「酷ぇなぁ」
クツクツ笑いながら、その銃を構えるギロロの手に自らの手を重ねる。
そのまま銃口にキスをした。
「………オッサンの匂いだ。」
香る火薬。噎せるような硝煙の匂い。
銃身に愛おしそうに頬を当てる。
「熱…。オッサンがさっきまでぶっ放してたんだもんなぁ…?」
熱の篭った目で見上げられれば、いつかの情事を思い出す脳。
「何を馬鹿な…」
ギロロの呟きも無視して、クルルは銃に愛撫を施す。
銃身を舐め上げ、丹念に唇で食む。
舌が滑る度に、銃が艶かしく黒光りする。
「んん…っ」
小さく呻きながら、銃の先端を口に含み、指で口に入り切らない部分を擦りあげる。