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□躾のススメ
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「ン?」
何か暗くなった…?
上を見上げると、目の前にどす黒い雷雲を吐き出しながら、浮遊するメカ。
………ヤバ
「ぴえぇええぇえええッ!!」
トロロの叫び声が地下基地に木霊する。
何事かと駆け付けたケロロやガルルたちは、真っ黒焦げでヒクヒク震えるトロロと、平然とPCに向かうクルルを目撃した。
「…クルル、どったの?」
恐る恐るケロロが尋ねる。
「ん〜?調子にノッてるガキが居たもんでね〜、ちょっとばかしお灸を据えてやったのさ…クククッ」
綺麗な顔で陰湿に笑う彼を、止めることなど出来ない。
…嗚呼、ご愁傷様トロロ新兵。
そこにいたクルル以外の皆が、静かに黙祷を捧げたのだった。
ふとガルルが口を開く。
「クルル、首…。」
「ん?」
続けてケロロも気付いたようだ。
「うわ、ソレ歯の痕!?」
「…クソガキがじゃれて、噛んできやがったんだよ」
溜息まじりに、首を摩りながら言うクルル。
後ろで真っ黒な嫉妬のオーラに包まれるケロロたち。
トロロ新兵は、自分の敵が数多くいることを、まだ、知らない。
→あとがき