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□エゴの名の下に
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「…偽善者…、なんて拙者には勿体ない言葉でござる。」

蒼い瞳が、薄く開かれた瞼の下から覗く。

「勿体ない?」

「…拙者は偽りでさえ、善行などしたことがないでござるよ。
いつだって拙者を動かすのは、自らの

エゴ、でござる。」


「…………はっ」
クルルは苦々しげに眉根を寄せて、口許だけで笑う。

「偽善者面さえ出来ねぇのかよ、アンタ」

不愉快だ。
何がこんなに自分を苛立たせているのか、分からない程に。

彼は、クルルとは対称的にニコリ、微笑む。

「僕は、僕が奪った命の数だけ、この地球という星に、花を植えてきたんだ。
もうすぐ、ちょうど、人数分。」

忍口調が消えている。
穏やかな声音。


苛々する…!

「……一度はアンタに消された命だ。代わりとは言え、在っちゃいけない命だと思うぜぇ?

この俺が、
弔いにこの星ごと綺麗に散らせてやろうか?」


ー――ガッ!!


ほんの一瞬。

ドロロが表情を潜めて、クルルにのしかかった。


「拙者は、これから何物に代えてもこの地球と、花たちを守り抜く。
それを阻もうとするのなら、クルル殿とて、容赦は致さぬよ」

首筋に宛てられる冷えた鉄。
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