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□エゴの名の下に
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「偽善、なんかじゃない。」
エゴの名の下に
はっきり言って、クルルはドロロが苦手だ。
普段は影が薄くて、情けないほど邪険に扱われていて。それなのに、正しくない行いをしようとすると、必ず待ったを掛けてくる。
「正しくない」行い。「地球侵略」。
正確には彼らにとっては「正しい」筈なのだ。
それが仕事。
それが使命。
それが生きること。
なのにドロロは目的を違えて、あろうことか地球の肩を持つのだ。
更に、嫌いな理由はそれだけではない。
ドロロが、花を植える理由を、知っている。
「……クルル殿は、何でも知っているのでござるな」
白々しい、笑顔にまた苛々する。
「贖罪、のつもりかい?」
「贖罪とはまた大仰な…」
「そんなの奉仕の精神でやってる訳じゃねぇんだろ?……だからと言って、アンタの罪は、そんなもんじゃ消えねぇよ。」
「……分かっている、つもりでござるよ」
ドロロは静かに目を伏せる。
「分かってる?何が?
なら何で花なんか植え続けるんだよ?
何で地球なんか守ろうとすんだ?
アンタ、とんだ偽善者だぜぇ…!」
苛々。苛々して止まない。