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□死ねばいいのに。
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アンタの手は、いつだって背筋が凍る程、優しい。


死ねばいいのに。


…正直キモいと思う。俺より少し温度の高い手が、脇腹を滑る。

俺は、椅子に座ってて。アンタは背もたれ越しに、俺を抱きすくめる格好。

薄暗いラボ、俺の領域。
なのに俺は抵抗しない。

「…何を、考え込んでいる?」

ヘッドフォンを外され、耳に直接吐息が当たる。

ふるり、体が震えて、ちょっと自己嫌悪。

「別に、キモいなぁ〜とか思ってないぜぇ」

寄せられる眉根、アンタのそういう表情は嫌いじゃない。

「………まあ、いい。」

首筋に顔を埋められ、舌が耳まで這い上がる。

「真っ赤だが?」

空いている右手で耳をクニクニといじくられ、更に顔に熱が集まるのが分かった。

「…見間違いじゃ、ねぇ〜の?」

クソ、声が掠れる。背後から笑っている気配が感じ取れた。

「そうかも知れんな」

心にもないことを。俺は舌打ちした。

右手がシャツの合わせから入り込む。鎖骨を撫でて、喉元を撫でて。

「また、地球に来てから痩せたんじゃないか?」

「知らね」

「腰なんか折れそうだ」

左手が腰の細さを確かめるように摩る。
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