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□Other,Another?
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太陽の下、君はどこまでも輝いていたから。


Other,Another?


梅雨明けも近付き、長雨の合間の晴れは異様な蒸し暑さだ。
青く抜けるような空は、もうすっきり夏気分と言った顔をしている。

そんな空の下、小隊きってのインドア派二名が日向家の庭に居た。

「クルル〜、マジあっちーんですけど〜」

「…さっきからうるせぇよ、隊長。誰もアンタにそこで見学なんざ指示してねぇだろうが。」

汗を垂らしながら、縁側でごろごろするTシャツ、半端丈ジーパンのケロロ。
陽の下でケロロより更に汗をかきながらツナギを着て軍手を嵌めて、髪を高いところで一つに束ねたクルル。

真剣な面持ちでクルルが対するは、完成間近の反重力式ソーサー。

地球人サイズに合わせたソレはクルルの美学が詰まったフォルム、装甲、馬力、機能。快適な乗り心地をしていることに疑う余地はない。
普段、発明などは地下基地内で全行程を仕上げ、完成された姿のみ見られるが、侵略兵器でないとくると話は別のようで。
「屋外、しかも空を駆けるソレだからこそ、最後の調整は晴れた屋外でしかやれねえ」、と言うのがクルルの持論らしい。
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