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□満月とロマンチスト。
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今夜は満月、雲一つない。こんな夜には呑まなきゃ損損


満月とロマンチスト。


ケロロとクルル、二人の仲を表す言葉は「悪友」。
ケロロのくだらない突飛な悪巧みを、クルルがどうでもいい優秀な発明品で引っ掻き回す。
正に手の付けられない悪ガキ二人組、と言った風情。


しかし、今夜は少し様子が違う。
日向家屋根の上、静かに酒を酌み交わす二匹…でなく、二人。

「いーい、月でありますなぁ…。」
ケロロは盃をくいっと空けて、夜空を仰ぎ見る。
「そこに美味い酒とくりゃ、最高だぜぇ〜」
クルルは自分の盃に冷えた大吟醸を注ぎ、直ぐさま飲み干す。

「あ〜いい気分…。歌でも歌いだしたいであります」

「隊長の歌なんざ、聞きたくねぇぜぇ〜」

「なんざって何よ?失礼な奴でありますなー。」

「隊長〜、知らないって幸せッスねぇ」

「……クルル、しどい」

「いつだって酷いのは現実の方だぜぇ」

「まーねー。…あ」

「?」

「クルル、月、大きいでありますなぁ…」

「ん。俺がちょっと近付けた。」

「ゲロー!?サラっと凄い事実発覚!」

「月にお酌して貰いたくてね〜クククっ」
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