本棚・弐

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アンタから貰いたいモノなんか、何一つ無いんだよ。





「貴方はどうしてそう変なところで頑固なんだ」

呆れたような声に振り向けば、扉に寄り掛かる長身がすぐ目に付いた。
目先で小さい箱を弄びながら、不満を滲ませる男前な横顔。

「よぉ、ガルル中尉殿」

その箱には見覚えがある。
以前ガルル小隊がケロロ小隊の侵略経過と言うか、様子見をしに来た時にガルルがラボに置いて行った物、そしてクルルが即送り返した物だった。

「どっちがッスか?
いらね、っつってんだろうが、アンタが物を寄越すたんびに。」

「要らないなら捨ててくれても結構だが、送り返しは応える」

「俺が捨てたら俺が貰っちまったことになんだろ?」

「そのつもりなのだが。」

「だからいらねぇって……もういい、堂堂巡りッスよ。」

興味を削がれたように、鼻で息をついて背を向ける。
その態度にガルルもカチンと来た。

「話は終わってないだろう、こちらを見たらどうだ」

「話すことなんざねぇな」

「何が不満だ?」

「何がじゃねえよ。何処がでもねえ、要らない、言葉通りだぜェ。」

怠そうに吐き捨てキーを叩く指。
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