12/15の日記

15:31
誕生祭
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星城昴(翠)
与えられたものは、『オアシス』と『回復の魔法』穏健派で内気、オアシスに引き込もっている。
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僕が生まれた日
彼女は僕に「おはよう、昴。」と笑いかけた。
「おはようございます」と僕が言うと、にこにこ笑いながら、近付き、頭を撫でた。
僕の寝ていたベットに腰掛け、厚い本を読みながら、「あなたが三人目のホムンクルス、星城昴よ。」と言う。
「星城昴…」
「あなたの名前。昴よ。」
僕はぼーとしながら繰り返す。
「三人…兄弟?」
「そう、八人の兄弟。」
「言っていいのか?」
彼女の後ろから黒い男が出てきた。
「ホムンクルス達には教えないんじゃないのか?」
「いいのよ、この子には。」
「……」
と言ったふうに、彼らは話し合っていた。
「あなたたちは、僕のなんなんですか?」
僕の問いに、彼女はまた笑う。
「私は王様、彼は影、正確にはおかあさん、おとうさんなんだけど…分かるかしら?」
父、母、知っている。
本で読んだ、何かの本で。
「ええっと…多分奈落の記憶を幾らか移植してあるから分かるわね。」
頷いた、奈落が誰か分からないけど。
「そう、良かったわ。」
彼女は笑うと、足の上で開いていた本を閉じた。
「早速だけど、あなたには試練を受けてもらうわ。」
僕は頭の回転が回らないまま、カナリアの様に繰り返す。
「試練…」
「あなた、人間は好き?」
人間…ヒト、動物界・脊索動物門・脊椎動物亜門・哺乳綱・霊長目・真猿亜目・狭鼻下目・ヒト上科・ヒト科・ヒト属・ヒト種。
ホモ・サピエンスであり『知恵のある人』の意。
「さあ、生物であるならそこに意味などないのではないですか?」
にこにこと彼女は「うん、素敵な考えね。あなたのそういうとこ好きよ。」と、惚けた。
惚けられるのは構わないが、話が進まない。
「…」「…あら、ごめんなさい。感傷に浸ったわ。人だった頃の記憶が棄てられなくて。」

下宝千景(紫)
与えられたものは、『ミラージュ』と『姿あらわしの魔法』武道派で気儘、戦いに対してあまり積極的ではない。

金玖珠烈 (黄)
与えられたものは、『ジュエリーボックス』と『』武道派で豪華絢爛、

澤汰陽南 (橙)
与えられたものは、『』と『』穏健派と言うか怠け者、

花憑陰狼 (玄)
与えられたものは、『スピリット』と『共鳴の魔法』武道派で兄貴肌、おだてにすぐ乗る分かりやすさである。



憂刈知糸 (白)
与えられたものは、『ログ』と『仮装の魔法』穏健派で気弱、普段は一般隊員と同じように行動する。



奈落上火(蒼)
与えられたものは、『ライブラリー』と『モノ探しの魔法』比較的穏健派で、覇弥を慕っている。
明月と奈落は形が似ている。
*
我輩が生まれた日
王様…覇弥は我輩を見て「おはよう、奈落。」と、我輩を厚く抱擁した。
温かい彼女は「あなたの名前は奈落上火。記念すべき一人目の、ホムンクルスよ。」と髪を撫でた。
後ろで、静かにこちらを見る男がいたが、彼は何も言わない。
「髪を結ってあげましょう。」そう言った彼女に、
「まず服をやれ。」と静かに言ったくらいだった。
服をもらい、髪を結んだ所で。
我輩は聞いた。
「ここは一体どこですか。」
彼女はにこやかに「貴方の部屋よ」と言った。
説明によると、この世の書物が集められた、ライブラリーという空間だそうだ。彼女は「この部屋を出たければ出る方法を探さなくちゃいけない。」と言った。
「教えてはくれないのですか。」と聞くと「私は、あなたに試練を与えているの。」と涼しい顔をした。
「出るために必要な力を与えるわ。これがあれば、後は自力で出られる筈よ。」
そう言い、我輩の手のひらにコンパスを握らせる。
コンパスは真っ青で、深い海の色。針がこれでもかと言うくらい、ぐるぐる回ると、凝縮されてパッと霧散する。
その霧が、細かな紋様の指輪となり、中指に収まる。
「モノ探しの魔法です、その指輪が、貴方を欲するモノへと導きます。」彼女は消えた。


明月情下(緋)
与えられたものは、『ドーム』と『封印の魔法』かなりの過激派だが、与えられた魔法のおかげで大分落ちついている。
*
俺が生まれた日
彼女は俺を見て「おはよう、明月。」と頭を撫でた。
ぼやけた視界が彼女をとらえると、俺は彼女の次の言葉を聞くことなく、彼女に襲いかかった。
すると、彼女の後ろから、影が飛び出す。
どうやら全身黒着くめの男が彼女の楯になったようだ。
俺は構うことなく男をなぎ倒し、彼女の喉元を引き千切ろうとした。
しかし、その攻撃は沢山の鎖により防がれた。
その鎖は空間の根元から生え、ドーム状に広がる。
「なんだこれはっ…!!」
「あなたの部屋よ、明月情下。あなたは自分の力を制御できていない。だからあなたには、自分を封印するための鎖をあげるわ。」
ドームはじりじりと小さくなって、俺を拘束する。
苦しみ悶える俺の口に、彼女は鍵を差し込んだ。
「鎖を自分の力で制御なさい、そうすればドームから出られるわ。」
彼女は小さく笑うと、影の男に連れられ、世界から立ち去った。

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