企画用
□伊武
1ページ/1ページ
部室でせっせと洗濯したタオルを畳んでいると、休憩時間になったのか、練習中と違うワイワイとした賑やかな声が聞こえてきた。
数秒経って、ガチャとドアが開く音がして、見てみれば深司がいつも通りな無愛想な顔で私の隣に座る。
「おつかれ」
「あぁ」
会話終了。
毎度のことなので気にせず、残りのタオルに手を出す。
外で神尾とうっちーがしょうもないことで言い争ってるのが聞こえるだけで、室内は私しかいないんじゃないかってくらい無音。
これでおしまい。
綺麗に畳んだタオルを仕舞おうと、立ち上がると横から手が伸びてきてびっくり。
手伝ってくれるのか、と思えば腹部に深司の手のひら。
ブニッて音が似合うくらい思いっきりお腹の肉をつかまれた。
「何すんの」
「肉」
「ごめんね太ってて」
深司は何かぶつぶつ言ったけど、聞こえなかった。
離してくれないし。
「ガリガリよりは良いな。まぁ、ちょっと肉多い気がするけど」
「あっそ」
「寝心地が良さそう」
「枕にしないで下さい」
深司ってほんと不思議。不可解。
そんなこと思ってたら、何事もなかったかのように練習へ戻っていった。
くやしい。