企画用
□森
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「もーりくーん!」
私が校庭を歩いている森くんに声をかけると、森くんは目をまん丸にして近寄ってきた。
「そんなとこで何してるの?あぶないよ」
「猫がさー降りれなくなっててさー…私が上がったら、びっくりして降りちゃったんだけどね」
木の幹に足をかけたまま、私は森くんに言葉を返す。
森くんは半ば呆れたような顔だ。
「降りれる?」
「うん!」
森くんが見守るなか、登った要領で降りようとしたところ、なんか足が滑っ…あああああ。
枝をしっかり握っていたので、落下は免れたけど、ずるずるずると間抜けな落ち方をした。
ら、森くんが支えてくれた。
優しさボーイ辰徳流石。
だけど、あまりに私が重いのか、森くんの支え方が悪かったのか、森くんに乗っかるようにして落ちた。
私が重いんだろ、知ってる。
「森くんすまぬ」
森くんの半分は優しさで出来ていると思ってたけど、何も言ってくれない森くんを見て、私はついに大罪を犯したかと思った。
さようなら日本。
人生あと60年は残っているのに、私はどこで暮らせば良いの。
「お、俺もごめん…!」
何が?と思って体を動かしてみたら、胸部に私のものでない感触。
森くん、男の子だね。
私の発展途上おっぱいが森くんのお手手の中に。
「やわらかい?」
「う、んっ、て…!何を言わす…!」
その体勢のまま笑ってたら、ものすごい勢いで森くんに退かされた。
怪力だ、森くん。
それからしばらくの間、森くんに相手にしてもらえなくて、しょんぼりした。