etc...

□子どもを拾いました
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――― 一方 ロストタウン


「ライチ、いつも すまないねぇ」

「いえいえ。好きでやっていることですから」


ちょうど診察が終わり、道具を片付けていくライチ。


「なー 乳の人。もう帰るニャスか?」


少しでも長く引きとめようと、ライチの腕に纏わりついていくタオカカ。

長老がそんなタオカカをたしなめようと口を開いたとき、転がるようにしてチビカカ達が入って来た。


「大変だよー。大変だよー」

「うねうねが来たよー」

「もう2匹食べられちゃったよー」


みんな口々に村の危険を知らせる。

ちなみに『うねうね』とはアラクネのことだ。


「ニャンと!今行くニャス!」


村の守り手であるタオは、一陣の風になって外へ飛び出していく。

ライチも慌ててその後を追いかけていった。


「来 な。  のレプリカ。そ 芳醇 生命の香 。さ 、ワレ 糧とな !」

「相変わらずニャにを言ってるのか分かんニャいニャス。うねうね、覚悟するニャス!」


鋭い爪を光らせ、アラクネに飛びかかっていく。


「待ってタオ!『彼』のことは私にまか 「ダメー!!」 …せて、って え?」


タオを止める者はライチの他にもう1人。

小さな子どもがいた。

無謀にもタオの前に立ちはだかり、震えながらアラクネを庇っている。


「危ないニャス!そこを退くニャスよ!」

「ダメ、退かない!僕のパパをイジメないで!」

「「「………パパぁ?」」」


みんなの頭の上にクエスチョンマークが飛び交う。


「違 !ワ は、親 など って ない!」


必死に弁明をするアラクネ。

その様子にライチがよろめく。

…が、すぐに持ち直し、アラクネに近づいていく。


「その子がどういう経緯であなたの子どもになったのかは聞かないわ。大丈夫。私がいるもの。2人でこの子を育てましょう!」


アラクネの手(?)をがっしりとつかみ、上気した頬で熱く語るライチ。


「え?じゃあ お姉さんは僕のママになるの?やったー!!」


こちらも酷い勘違いだ。

この2人以外の人々(?)は、あまりに突拍子のない展開についていけず、呆然としている。

アラクネなんて固形化している。

そんな一同を置き去りに2人は盛り上がり、アラクネをずるずると引きずってオリエントタウンに帰っていった。


―――こうして、うねうね一家は誕生したのであった。

ちゃんちゃん♪



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