REBORN!

□夏の小さな恋物語
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『本日 並盛町の地域貢献のため、プール掃除をする。ちゃんとやらないと…、咬み殺すよ。』


並盛町をこよなく愛する最強風紀委員長 雲雀恭弥の指示によって、俺たちはプール掃除をすることになった。

「よう ダメツナ!悪ぃけど 俺 腹が痛ぇから、掃除頼むわ。」

雲一つない青空の下、今日も俺はパシられる。

「おい テメェら10代目になんて事させてんだ!テメェらの掃除はテメェらでやれ!」
「確かに サボりは感心しねぇな。」
「10代目!アイツら絞めて来ましょうか?」

その一言で 今まで俺が持っていた掃除道具は、最初に持っていたホースだけになった。

「いいよ 獄寺くん!ほら みんな自分でやってるし!」
「じゅ…10代目がそうおっしゃるなら…。」

渋々とだが彼はちゃんと ダイナマイトを収めてくれた。

「ちょっと男子!サボらないでさっさとこっちに水を撒いてよ!」
「分かったよ……………。あれ?水が出ない…。」
「早くしてってば!」
「ちょっ ツナ!ホース 踏んで「え?」

水圧は限界を超え、堰をきったように 水が躍り出る。

「うわぁ!」
「きゃあ!」

きゃあ?
声のした方向を見ると、雪乃が水浸しになって立っていた。

「ゴメン!大丈夫っ?」
「うん 平気。…きゃあ!!」

はにかみながら許してくれたが、悲鳴と共に座り込んだ。
理由を聞こうと思い、しゃがんだら 思いっきり突き飛ばされた。
見上げたら黒川花が仁王立ちして睨んでいた。

「アンタって本当にダメツナね!デリカシーって言葉を知らないの!?」
「雪乃ちゃん 大丈夫?」
「うん。タオル貸してくれる?」
「いいよ。…ごめんね?さっきの放水でぬれちゃったの。」

雪乃の顔がくもる。

「ほら さっさと謝る!」
「テメェ さっきから聞いてりゃ 10代目になんて口聞くんだ!」
「ごっ獄寺くん 悪いのは俺だから!」
「獄寺も黒川も落ち着こうぜ?」
俺たちは気付かなかった。
周りが静か過ぎることを…。

「一体 何の騒ぎ?」
「「「「「「!」」」」」」
「ヒ…雲雀さん!」

そこには 群れることをなにより嫌う雲雀恭弥がいた。
そして後ろには、草壁さんもいる。

「ダメツナが雪乃に水をぶっかけやがったんだ。」
「リボーン!いつからここにいたんだ!」
「最初っからだ。ついでに ホースを踏んでたのは、俺だ。」
「お前かぁ!」

捕まえようとしたが簡単にかわされ、逆に蹴りを入れられる。(全く…、どこにこんな力があるんだ。)

「痛ててて…。リボーン なにすんだよ!」
「赤ん坊…、それ本当?」

気付くと俺は、雲雀さんの前にいた。

「あぁ。きっと雪乃の下着姿が見たかったんだろうな。」
「ちょっ何言って!違います!本当に違うんです!」
「ワォ 草食動物のくせに口ごたえする気かい?…、まぁいい。君を咬み殺すのは後にするよ。
草壁 引き続き見張って。」
「へい。」

助かったぁ。
ふと周りを見ると 雪乃がいない。
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