04/22の日記
21:39
【感想】小説仮面ライダーディケイド―門矢士の世界 レンズの中の箱庭
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※ネタバレ注意。
正直に言うと、自分は仮面ライダーの中では思い出補整もあってディケイドが一番好きなライダーです。
※ただし、劇場版と最終回の最後は除く。
もっとオーズのオールライダーみたいにやりようがあったと思うんだよなぁ……。
まぁ、そんなこんなで小説 仮面ライダーディケイドが発売されるのを待ってたんですが、他の小説 仮面ライダーシリーズから期待はしてなかったんですよね。
というのも、ほとんどの小説 仮面ライダーの話が原作のキャラや設定にアレンジを加えた内容で、読みごたえがある分、個人的に見たかった“あの頃のキャラクター達の番外編”がなかったんですよ。
それでも、ファイズやキバ、アギト……それらの設定をリ・イマジネーションされた世界観はぐいっと引き込まれて魅力的なんですがね。
原作の世界で戦うカブト、W、オーズみたいなのをディケイドでも見たい。
だが、今回のディケイドはやっぱり設定をリ・イマジネーションされた内容でした。
だが、その設定が面白い。
原作ではいわゆる“俺様”系の主人公・士が、なんと厭世的なキャラで描かれている。
「おいおい、大丈夫か?」嫌な予感が頭を過ぎります。
キャラの性格を大々的に改変してるのか?
例えば、原作の士なら怪人相手に生身でも戦うのを躊躇わない所か、偉そうに説教をするような性格なのに、小説の士は怪人に襲われる女を見捨てるか見捨てないかで迷います。
原作の超人善とした士なら考えられない。
しかし、ディケイドの力に目覚めてからの士は完全に「自分(視聴者)の知ってる士」になりました。
超人的なパワーを手に入れた士はそれから“夢のような感覚で世界”を巡ります。
そして、士と出会う仮面ライダー電王、仮面ライダークウガ、仮面ライダーカブト。
モモタロス、五代、天道との絡みは正直に言って秀逸。
小説の士の持ってる“弱さ”、現実世界と夢のような世界との“迷い”、自分の心との“向き合い”。
これは面白い。原作では士は仮面ライダーを助ける側になっていたのに小説では“本当に助けられていたのは士の方だった”。この設定は凄く良いリ・イマジネーションです。
原作の劇場版でもライダーに助けられることはありましたが、あれはいわゆる物理的な意味での救援(助っ人)。
よりキャラクターの心情がわかる小説ならではの見せ方に感動しました。
この小説では
士の世界→仮面ライダーの世界→士の世界→仮面ライダーの世界……と章が連なっているのですが、士は仮面ライダーの世界のことはゲームかなにかの出来事と捉えており、士の世界は現実の出来事と割り切っていました。
そんな現実世界(士の世界)に夢の世界の住人だと思っていた海藤と夏海が現れる事で士の世界と自分自身に疑問が生まれます。
そして士の世界で起こる謎の吸血鬼事件。
もう一つ、士と夏海の関係。
原作では気がついたら、いつの間にかラブラブになっていた二人ですが小説ではその一歩手前といった所。
でも、読んでるとほのかに感じる甘酸っぱさがもう……(笑)
好きなライダーという事もあって個人的にかなりの良作だと思うんです。
鳴滝の謎や海藤の真意も明らかになってしっかり纏まっているし、ライダーの世界のキャラクターも電王のタロウズ以外は原作の登場人物らしさを感じました。
タロウズはなんと言うか、キャラを強調されすぎてるイメージ。違和感というほど違和感はないけど、ちょっと首を傾げる……上手く言えないけどそんな感じ。
五代の爽やかっぷりにはなぜか安心しました。五代の登場時の士の心情がかーなーり暗い(もっと言えば悪い)状態だっただけに、凄く安心出来ました。
流石、五代さんや……!あんまり絡まないけど、士の迷いを振り払うかのような後押しするのはグッジョッブ過ぎる。
そして、安定の天道。小説の士が多才なのに脆い所があるせいか天道の完璧超人っぷりが凄い。
そして、カブト強すぎだろ……カブトだけ強さが段違いなんだが……。
原作のカブトもカブトだけずば抜けて強かったからある意味原作通りなんだけど、やっぱりファイズ アクセルの加速が見たかったなぁ……。
そういえば、赤のクウガが剣を持ってたり、天道がアタックライドのカードを持ってたりする描写があったんだけどなんだろう?
剣を使うクウガは紫だし、赤のクウガは武器なしで戦う。もっと言えば、クウガゴウラムのモチーフがカブトムシになっていた。
あんまり騒がれないけど、天道がカードを持ってるのも大分おかしいよね。
まぁ、カードを持ってる理由は天の道を往き統べてを司る男だからで全て片付きそうなんだけどね。
戦闘面で気に入ったのは、キバ&電王、電王&クウガ、クウガ&カブトでタッグを組んで戦っていた所。
キバ&電王は映画
電王&クウガは4フォーム持ちライダー
クウガ&カブトはクワガタ&カブトムシ
タッグにも夢があるのは良いですね。
他にも鳴滝の目的と正体とか中二心をくすぐられるし、最終決戦も凄く胸熱だった。
語り足りないけど、とりあえずここまでにしときます
☆コメント☆
[P.G.] 05-08 11:12 削除
赤のクウガが剣を使うとかタロウズのキャラが強調されてる云々は、本作の監修が『電王』以外の平成テレビシリーズ第1期作品に携わった「井上 敏樹」さんであり、その彼が設定を間違えてしまった為です。
ファイズやアギト、キバ以外はサブとして携わってる(電王には参加してません)からか、所々やや解釈が違っています。
五代のキャラがちょっと違うという書き込みをどこかで読んだ記憶がありますし、キンタロスの一人称が「俺」の筈なのに「ワシ」になってる点が良い例です。
逆に天道は、士同様に井上さんがモデルだからか、よく覚えてたんじゃないかと思いますwww
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