Novel

□ずっと、一緒に、
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「はぁ…なんでだろう…あたし…」


あたしは今、盛大に悩んでる。

この悩みの種がなにかはわかってる





ユーリに会いたい





しかし、全てを終わらせてみんなとわかれた今となってはこの望みが叶うのは難しい。

エステルやフレンは城に、
ガキんちょやジュディス、あまり会いたくないけどおっさんとはダングレスト、
パティとはカプワ・トリムに行けばたまに会えるが、

肝心のあいつは今、世界中は旅していて会うのは難しい。

一応凜々の明星の一員だから、ダングレストで待ってれば会えるが、主にジュディスとおっさんに茶化されるだろうからヤダ。

色々考えた後、あたしはあいつん家の前にいる。
理由は簡単、一番会える確率が高いから。
フレンが言うには、たまに家に戻ってるらしい。
なんでフレンが知ってるのかはおいといて。



それにしても―――



「なんであたし、今頃あいつなんかに…」



なんでといっても理由はわかってる。

旅してる時はあまり感じなかった。
けれど、わかれて少し経って、急に寂しさを感じ始めた。
最初は理由がわからなかった。
しかし、多分旅してるときに自覚がなかったんだろう。
少しして気付いた。



ユーリがいないことに寂しさを感じている。



知らない内に、自分はユーリに恋していたらしい。



「あたしがあいつのことを…好き…」


つい呟いてしまった。
周りに誰かいないか確認し、誰もいなくて少しほっとした。





とりあえずずっと家の前に立っててもしかたないからノック。

―――返事はない。

ドアの鍵が開いてたからこっそり開けてみたが、中には誰もいない。


ふと、部屋に入りたいという衝動に駆られる。


「…あいつが鍵閉めてないのがいけないのよね…」


そう言い聞かせて中に入っる。

暫く旅にでてるのに、思ってたよりは綺麗。



「…ここで研究してみるのもいいかも…」



ここで待ってればそのうちユーリに会える。
いつかはわかんないけどこれが一番確実だろう。

今はあいつに会えなくてつい考えちゃうせいであまり研究は進まない。

けど、ここならずっと待ってれば一番に会えるから…。


それに、ここにいると…その…ユ、ユーリの匂いがするからその…す、少し落ち着く…
ってなに考えてるのよあたし…!



ま、

「そうと決まれば早速実行ね」



あたしはそう言って研究に必要なものを取りに行った。
















「なんなんだこれは…」



少し前にフレンに会った。
そして家に戻ってみろと言われて
(なんか少しニヤニヤしてたけど気にしないことにした)
戻って見たらなんかすごい散らかってる。

しかもそのほとんどがなにやら難しいものばっかり。


「リタだな。絶対。」


こんなもの俺が持ってるはずがない。
そして専門用語らしき文が並んでる。

こんな見てるだけで頭が痛くなりそうなものを持ってるのはリタぐらいしかいない。


「ったく…なにやってんだあいつは…」


ベットのほう見てみれば資料っぽいのに埋もれてリタがいる。
近付いて見てみればここちよく寝てるから起こすのは気がひける。


「とりあえず起きるまで俺も寝てるか…」


俺は近くのソファーに横になる。
旅の疲れもあるせいか夢に落ちるまでそう時間はかからなかった。














「ん〜…」


気付いたらあたし、寝てたみたい。

このユーリの部屋で暮らしてから大体三日ぐらい。

まだあいつは帰ってないかな………って……!!





「ユー…リ…?」





あたしがずっと会いたかったやつが、今、ソファで寝てる。



やっと…やっと会えた
あたしはすごく嬉しくなって、でも、ちょっとした怒りが込み上げてきて、



「起きろーーーーー!!!」



あたしはつい、ソファを大きく揺らしてユーリを起こしてた。














気持ちよく寝てたらいきなり大きな声がしてゆっくり目を開けたら目の前にリタの姿が。



「ん…?あぁリタか」

「「あぁリタか」じゃないわよ!帰ってくんのが遅いわよ!」

「そりゃ旅にでてりゃ遅くなるわな。」



リタがぎゃあぎゃあ叫んでるけどとりあえず軽く流しとく。
リタの顔が赤くて少し涙目なのは気のせいだろうか。
それより、

「そういえば一つ聞いていいか?」

「なによ…」


とりあえず俺がずっと聞きたかったことを聞いてみる。



「なんでお前が俺の家にいるんだ?」

「そ、それは…」


見てるうちに顔がさらに赤くなっていく。
こういう反応がこいつかわいいんだよな。


「ここにいれば…あ、あんたに会えると思って…」

「?どうした、なんか用でもあんのか?」

「用は…特にない…」

「じゃあなんで来たんだ?」

「う…」


ますますわかんねぇ。
用もねぇのにどうしてくるんだろうか。


「黙ってちゃわかんねぇぞ。」

「あ、あたしはずっとあ、あんたに会いたかったの!」

「…は?」


俺は意味がよくわからなくてつい素っ頓狂な声をだしてしまった。


「なんでまた急に」


「急じゃないわよ!旅してる時は気が付かなかったけど終わってから気付いたの!あたしはあんたがいなきゃダメなの!あんたが好きなの!」


リタは顔を真っ赤にして大きく言ってきた。
こいつ…まさか俺のことをな…


「つまり、お前は俺が好きでずっと一緒にいたい、と」

「だからそう言ってんでしょ!何回も言わせないでよ!」

「なら、俺と一緒に来るか?」

「え…?」

「そうすればずっと一緒にいれるだろ。俺はいつ帰ってくるかわからねぇし」

「いいの…?」

「ダメならこんなこと言わねぇよ」


そういって俺はリタを抱きしめる。

まぁもちろん真っ赤にしてなにか言ってくるけど。


「ち、ちょっと!いきなりなにすんのよ!」

「ん?なんだ?いやだったか?」

「それは…」

「だろ?」

「ユーリ…ずるい…」

「まぁまぁ、たまには甘えてこいって」

「じ、じゃあ…」



そう言って急に顔を近づいてくる。

キス、だろう。


暫くの間は抱きあったままお互いの唇を合わせてた。

先に離れたのはリタのほうからだ。


「はぁ…はぁ…」


リタはこれ以上にないぐらいに顔を真っ赤にしてる。



「お前…大胆だな…」

「な、なによ!甘えてこいって言ったのはそっちでしょ!」

「ま、そうだけどな」



俺はそう言ってリタを離す。



「一応、お前も準備しとけよ」

「準備って…」

「旅の準備。お前ができるまで暫くは待っててやるから」

「わ、わかった…」

「じゃあ少し久しぶり…ってわけじゃねぇけどにフレンんとこ行ってくるわ」

「あっ!ね、ねぇっ!」

「なんだ?」

「聞きそびれてたけど…あんたは…私のこと…好き…?」



こいつ、わかってねぇな…



「お前は好きでもないやつに抱きついたり大人しくキスされたりできんのか?」

「じ、じゃあ…」

「愛してんぜ、リタ」

「…!!う、うるさい!とっととフレンんとこ行けばいいでしょ!///」

「あのなぁ…お前から聞いてきたろ…」

「うるさーーーい!///」

そう言ってリタは近くの本を投げてくる。

俺はかろうじて避けてその場から逃げるように立ち去る。

リタのあの顔と言葉を思い出すとつい顔がニヤついてしまう。

…フレンにはバレないように気をつけなきゃな。

あいつにバレるときっとエステルの耳にも入って色々うるさいからな…






(それにしても、これからの旅は賑やかになりそうだな)










あたしはユーリが出てった方を見続けてた。

ユーリから愛してるって言われた時は心の底から嬉しかった。
(これからは、あいつと、ずっと、一緒…そう思うと、なんだか恥ずかしくて、でも、とても嬉しい)







‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

テスト終わったということでテスト前の時に書き進めてたユリリタを仕上げ
一応ED後です

これ書いてる最中に別のが思い浮かんでそれを今書きたくて…

ってまて
キリリクや企画はどうした私!
(現在書き進めてるので安心してください)

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