Novel

□Feelings
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あたし、最近おかしい。

なんだか、あいつと話していたら、嬉しい気持ちになったり
気付いたら、あいつのことばっかり考えてて、研究や読書に力が入らなかったり
―――


「どうした?リタ」

「へっ!?な、なによどうしたって!?」

「いや、さっきからずっと俺のほう見てるからさ」

「えっ!?な、なんでもない!!///」

「あっおい!リタ!…ったく…!」


ほら、今みたいに、気付いたらいつもあいつを見てる。

なんなの?この気持ち…


「はぁ…」

あたしは一つ、大きくため息をついた。
このため息は静かに消えるはずだったが…

「あれ?ど〜したのよリタっち〜。なにか悩み事?」

「うざっ…」

おっさんが来た。

ほんとは一人にしてほしいが、こんなのでもあたしの二倍は生きてる。
もしかしたら、この気持ちの正体がわかるかもしれない…


「ぐはっ!あいからわずリタっちはひどいねぇ…」

「まぁいいわ。…あんたに少し相談があるの…」

「リタっちがおっさんに?珍しいこともあんじゃないの」

「…真剣に聞いてよ…」



「ん〜リタっちが青年のことばかり考えちゃう…ねぇ…」

おっさんは一回おおげさに驚いたから一発ブン殴ってやった。当然の結果よ。
その後すぐに落ち着いたけど。

「わ、わたしにもわからないのよ!なんであいつなんかで…///」

「ま、そんなら青年に言ってみれば?」

「いいい言えるわけないじゃない!///」

「まぁそうね〜。そりゃ告白してるのと一緒だしねぇ〜」

「こ、告白!?なんであたしがあいつなんかに…」

「ありゃ、気付いてない?リタっちは青年に恋してるのよ」

「こ、恋…って…」

正直、よくわからない。
そうだ、これはいつものおっさんの冗談だ。そうに決まってる。

「か、からかわないで!///」

そう言っておっさんに近くにあった本を投げ付けて部屋から出てった。



「って〜っつの…。ま、大丈夫っしょ。青年なら」













同じ頃…













「なんなんだあいつは…」

最近あいつの様子が一目瞭然だ。
しかも、他の人に対しては普通なのに、オレに対してだけおかしい…。


「あら、お悩み事?」

「ジュディか…」

ほんとジュディスは神出鬼没だ。
しかも、彼女はこういう誰かが悩み事してるときにはいつもいるような気がする

まぁ頼りになるんだけど。

「いや、ちょっとな」

「あの子のことね」

「………」

…でも心の中を読むのはやめてほしい。

「あの子には嫌われたくないものね」

「………」

「あら、図星?」

一体どこまで読んでんだ…

「…あぁ。俺にだけ態度が不自然な気がしてな」

というより明らかなんだが。

「それなら心配はいらないんじゃないかしら」

「あんなリタのどこが心配いらないんだよ…」

「…あなたってほんと女心がわかってないのね…」

「いきなりなんだよ…」

「ふふ…がんばってね」


と言ってどこかへ行ってしまった。
せめて解決方のひとつは教えてほしかったが…


「とりあえずあいつんとこ行ってみるか」


そう言って俺はあいつを探すことにした。













「ったく…なんなのよあのおっさんは…」



あたしは今、少し一人になりたいと思って、広場のベンチにいる。



「あたしがユーリのことを好きって…」

「へぇ…リタが俺のことを好きねぇ…」

「ひゃあ!」


振り向いて見れば後ろに笑いをこらえてるユーリが…って今の聞かれた…!?


「ななな何笑ってんのよ!」

「いや、リタでもそんな驚き方するんだなって…うっ…くっ…」

「ううううるさい!そ、それより…」

「なんだ?」

「さっきの…聞いてた?」
「あぁ、バッチリとな」

「…!!///」

「リタが俺のことを…」

「それ以上言わないで!」

「どうしたー?顔真っ赤だぞー」

「う、うっさーーーい!!///」



あたしはつい腹にボディブローを決めてしまった。
で、でもあいつが悪いのよ!あたしは悪くない!



「リタ…痛いぞ…」

「ふ、ふんっ!当然よ!」

「けど、俺は嬉しかったけどな」

「え…?」

「だから、リタから好きって言われて嬉しかったけどな」

「それ…って…」

「俺もリタが好きだってこと」

「…!!」



え…こいつ今…なんて…
好きって…なによ…
そうよ!こいつもからかってるのよ!



「じょ、冗談はやめて!」

「お前なぁ…この状況で冗談なんて言えるか?」

「え…」

「俺は本気だぜ?」

「…」



多分、他から見たらあたしの顔は真っ赤だろう。
そんなこと思ってたら急にユーリの腕が伸びてきてあたしを抱きしめてきた。



「ちょ、ちょっと!」

「愛してんぜ、リタ」

「…!!」



全身、特に顔に熱がおびたのが自分でもわかる。
愛してるって…



「んで、リタは?」

「…なによ」

「返事だよ、さっきの」

「…あたしも…その…ユーリのことが…す、好き…」

「愛してる、は?」

「あ…愛してる…」



そう言ったら急にユーリの顔が近づいてきた。
…キスされたんだ、とは少しして気付いた。
顔が離れてからまた抱きしめてきたからあたしからも抱きかえした。





暫く、二人でずっと抱きしめてた














(あれ?ユーリとリタは?)

(心配しなくても暫くしたら帰ってくるわよ)

(どういう意味です?)

(言葉のまんまの意味よ。暫くはそっときましょうや)

(あら、なんで知ってるのかしら?リタになにか言ったのかしら?)

(ジュディスちゃんこそユーリからなにか相談でも受けたの?)

(二人共…どしたの?)

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