SIREN

□サクラ咲く中…石田視点
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まだ桜の花が咲いている時に俺は一目惚れをした、その人は我が儘で、妹思いで良いのか解らないが妹さんの話しばかりする…

俺の好きな人…神代淳様…恋をしてはいけないのに俺はしてしまった…












「淳様ー?淳様ー?」




許嫁の亜矢子様から捜すように言われたから俺は捜した。
桜が咲き乱れる大きな樹木の木の幹に寄っ掛かって寝ている淳様を見つけた




「(どうしよう…)じゅ…」




呼び掛けようとした時、強い風が吹けば桜の花弁が淳様の頭に付いた。

…!…と、取って…良いよな!?だ、大丈夫か…?




「し、失礼します…」




頭に付着した桜の花弁を取るときサラッとした髪が触れた。




「う…ん…」



「!……」




目覚めると思った俺がビクッとしたら淳様は気付かなかった。




「(ま、周りには誰もいないな…)…少しだけ…失礼します…」




寝ている淳様に屈んだ俺は右頬に触れる程度だが、唇を落とした…




「…伝えたいのに……」



淳様が倒れそうになったから、急いで座れば肩を貸した…




「……すー…」



「(目覚めるな目覚めるな目覚めるな目覚めるな!)淳…様…」




サラリと前髪に手を添え、撫でたらピクリとした為、俺は直ぐに離した。



「…!…良かった…」




好きだと伝えたいが淳様には亜矢子様が居る…しかも同じ男性。
告白したら嫌われるのは解る…

だけど…今なら誰も居ないから平気だよな?




「…じゅ…ん…さん……好きです。」




一気に恥ずかしくなった…
俺は早く火照る顔を冷まそうと手で顔を扇いだ。



「ん…?」



「!…淳様…起きて下さい。」




淳様がムクリと立ち上がった。




「…石田か…ふぁ〜、すまないな起こして貰い。」



「大丈夫ですよ…」




そう言えばまた強い風が吹いた…
また桜の花弁が舞い落ちる。

俺は小声だが淳様に"好きです…"っと呟いた…
淳様は桜に夢中だから気付かなかった。
良かった……

半面悲しいが、俺は袖で目元を一瞬で拭いたら淳様に伝えた…亜矢子様が捜していたと。

伝えただけで淳様は場所が解るのか俺に一言言えば走り去った




「…桜が綺麗だ…」




花弁を一つ手の平に乗せたらポツリと手が濡れた



「…っ、辛いな…かなり…」




淳様が倒れていた桜の木に寄っ掛かりながら俺は地面を濡らした。
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