図 書 室

□第一章:『病魔の囁き』
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高校1年の冬。朝7時「チリリリリ…」目覚ましの音で目が覚める。頭が痛い…眠い目擦りながらカーテンを開けたらどしゃぶりの雨。
雨が降ると何故かいつも頭が痛くなる。嫌々学校へ行っていつもの様に授業受けて部活に行く。それにしても頭が痛い…雨はもう既にやんでいた。変だと思いつつ大好きなトランペット練習。この時はまだ自分が病気だなんて思ってもいなかった。練習を終えすぐに帰宅。ただの風邪だろうと思って次の日病院へ。診察室に入って問診。『詳しく検査してみましょう』先生のその一言がすごく不安にさせた。検査を受けた1週間後。部活から帰ったら家に誰もいないらしく電話が鳴り響いていた。その電話は病院の先生からだった。「〇〇様のお宅ですか?先週の検査の結果が出たので明日の朝お母さんと一緒に病院へ来てください。大事なお話があります」との事。一方的に切られポケーとしてるとお母さんが帰ってきた。その場で座り込んでた私を見て「どうしたの?」って聞いてきた。「明日検査結果聞きに一緒に来てくださいだって」そう言うと同時に涙が溢れてきた。私…病気なのか?次の日一緒に病院へ向かった。診察室の扉を開けると難しそうな顔をしている先生がいた。気になる結果は…「右脳の量が通常の半分しかありません。そして脳壁に小さな穴が開いてます。良くここまで耐えられましたね。ただこの病気にかかってる人が少なく今の所治療法が確立してないのです。とりあえず…部活は辞めて安静にしていて下さい。」と言ってこの日は終わった。家に帰って自分が大変な病気だというのが分かって部屋に閉じこもり泣いた。先生の「部活は辞めて」この言葉をすぐに受け入れる事が出来なかった。今まで音楽だけを楽しみに学校へ行ってたのに…

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