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□君は眠り姫
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土方さんが寝てる。
なんて珍しい。
沖田は起こさない様にそっと近づいた。
「可愛い」
呟きながら土方の顔にかかる髪を払ってやる。
「さらさらだなぁ」
濡れ羽色の髪は癖もなく
沖田の手を擦り抜けて行った。
せっかくだし。
無防備に寝る姿が沖田の悪戯心に火をつけたのか
土方の長い髪を束ねる紐を取り去る。
土方の白い肌によく似合う黒。
程よく桜色に染まる頬は安らかな眠りを物語っていた。
起こさない様、頬に口づけを落としそっとつぶやく。
「土方さんはお伽話のお姫様みたい」
純粋で優しくて。
守ってあげたくなる。
(君は眠り姫)