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□絶対に譲れないもの
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「刊部…貴様は何をしている」

三成は細くつり上がった目をより細めて眼前を睨み付ける。今ならば眼力だけで人を殺せるだろう迫力で、市を腕に抱く吉継を射止めた。

柳眉を逆立て怒る彼はまるで般若のよう。そんな視線を受け止めた吉継はふっと嘲笑った。


「なんだ三成。われが羨ましいか?」

もっと羨むがよかろ、と彼を煽るように市の肩を抱き腰を引き寄せるとその腕の中に抱え込んだ。その動きに合わせるように、市の華奢な肩からはらはらと艶やかな黒髪が流れ落ちる。抱えられた腕の中から吉継を見つめて、うっすらと赤く色づく彼女の頬。

「…吉継様?」

「ぬしは、甘い香りがするな…」

「ひぁっ…」


首筋に顔を埋めて鼻腔を擽る甘い香りと共に、艶やかな髪をゆっくりと堪能するよう撫でつける。下へ下へと手を動かし陶器のような白い頬をするりと撫でた。それを見留めた三成の眉間に深く皺が刻まれる。


「ッ…刊部!!今直ぐ市の側から離れろッ!今直ぐだ」

「…これはわれのモノぞ。幾ら三成と言えどわれのモノを譲ることは出来ぬな。諦めよ」

怒りに任せ何彼構わず怒鳴る三成に飄々とした態度で反論する。ぎゅっと彼女を抱く腕に力を込め勝ち誇ったような笑みを浮かべる吉継の姿に、三成はより激しく嫉妬の炎を燃え上がらせて激昂した。


「…いつから市が刊部のモノになった!即刻離れろッ」

「ひっひ…男の嫉妬は醜いぞ、三成よ。少し落ち着くがよかろ」


「もういいッ!…貴様に離す気がないというのなら、奪い取るまでだ!」

「…あっ」


吉継の腕に大人しく抱かれていた市を、彼の腕を叩き落とす事で力任せに自身の方へ引き寄せた。その衝撃でぐらりと傾ぐ彼女の華奢な身体をしっかり抱きとめると、叩き落とされた手を擦る吉継に視線を移す。


「はぁ。三成よ、手荒な真似をするでないわ。…今すぐわれの市から手を離せ」

「…誰が離すと思う?市は私のものだ。これ以上の勝手は許さない」


「よかろう。いい機会だ…白黒着けようではないか」

「ふん…貴様如きにこの私が負ける筈がないだろう。今許しを請うなら許してやってもいいが?」

「はっ…ぬかせ。誰が請うか。その言葉そっくりそのままぬしに返してやるわ」




そうして互いの武器を構え戦闘態勢に入った二人に避難させられた市はおろおろとするだけだった。






絶対に譲れないもの
(貴様には、絶対に負ける訳にはない)(…それはわれとて同じよ)

((二人は…どうして、戦ってるの?))







――――――

超スロー更新のくせに内容微妙!!
あはは…管理人はまだキャラの口調が掴めてないもようです。


それに市が喋ってないよ…殆ど!市は何処にいってしまったんだ…


しかも、オチなし?

ごめんなさい!!


執筆日:8月20日

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