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□これも因果だというのなら
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あぁ…どうして俺はもっと早く魔王の許へ旦那達の許へ、そして何より君の許へ行けなかったんだろう。


「…う、そだ。嘘だ嘘だ嘘だっ!!ねぇ…どうして」


冷たくなりつつある市の脆く儚い身体を温めるように掻き抱いた。
守ってあげられなかった。守るって、決めた筈なのに。どうしてこんなことになったのか。胸元から溢れ出す赤に彼女の終焉が近いことを悟った。


「ごめっ…ごめんね」


謝罪なんて、何の役にも立たないもの。それなのに嗚咽と共に口からぽろぽろと零れ落ちる様に出てくる。自制なんてできやしない。忍なのに、なんて今は気にしていられない。自分の体裁なんて気にならないほどの悲しみが心に重い重しを落とす。



苦しそうに顔を歪めながらも震える右手で、するりと俺様の頬を撫でる彼女にずくんっと胸が痛む。
苦しい。胸が締め付けられる。


「さ、すけ…泣か、な…で」

「無理、だよ。俺様…市がいないと、駄目…なんだ」


すがりつく様に彼女の肩口に顔を埋めた。…絶対に離れない。そう思って力を込めて抱き締めた。

段々と冷たくなっていく彼女に最早俺様はかける言葉も無くただ静かにその身体を抱き締めるだけだった。


「市…は、さすけ…が、だい…すき、だよ」


そして力を失ったように垂れた彼女の右手を、ただ強く強く握り締めることしか出来なかった。




これも因果だというのなら
(俺様は…最期まであらがうよ)(絶対に、市だけでは逝かせないから)


――――――――

久しぶりにアニバサ最終話見たら、面白いぐらいに幸市とか政市とか佐市にしか見えないとう新事実発見←

私の脳内はどうなってんだ(笑)


使用御題:DOGOD69様より
執筆日:4月5日

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