英雄への道

□来た!我らのヒーロー
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「皆下がれ!!なんだ!?ショック吸収の【個性】じゃないのか!?」


オールマイトが私達に下がるように言った。


「別にそれだけとは言ってないだろう。これは【超再生】だな。」
「!?」


脳無の崩れた身体が蜥蜴の尻尾が再生されるのを早送りするようにあっという間に元に戻っていく。
脳無は再生が終わると同時に真っ直ぐに勝に拳を振り上げる。

しかし次の瞬間、勝はいっちゃんの隣にいて、吹っ飛ばされたのはオールマイトだった。


「ゲホ……加減を知らんのか…」


吐血をするオールマイト…
勝をかばって攻撃を受けた所為か、もしくは…


「仲間を助ける為さ、仕方ないだろ?」


すると死柄木 弔はオールマイトに言った。


「さっきだってそこの…あー、地味なやつ。あいつが俺に思いっ切り殴りかかろうとしてたぜ?」


死柄木 弔は言葉を続ける。


「他が為に振るう暴力は美談になるんだ。そうだろ?ヒーロー?」


死柄木 弔の主張はこうだ。

同じ暴力でも【ヒーロー】【敵】でカテゴライズされ良し悪しが決まる
そんな世の中に憤りを感じ、それは全て同じ事ではないのか
オールマイト、【平和の象徴】は所詮抑圧の為の暴力装置に他ならない
暴力は暴力しか生まないことをオールマイトを殺して世の中に思い知らせるのだ

死柄木 弔の主張は一見筋が通っているように思えるが、その実はメチャクチャな論理だ。


「めちゃくちゃだな。そういう思想犯の眼は静かに燃ゆるもの。」

自分が楽しみたいだけだろ、嘘つきめ

オールマイトがそう言うと死柄木 弔は


「バレるの、早…」


ニタリと笑った。


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