大罪への道

□大罪二つ
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バステ監獄が崩壊し、聖騎士の理不尽な投獄によって捕まっていた町の人々も無事に町へと帰ってきた。

メリオダス、ディアンヌ、ホークにバン、そしてウィルは町の医者の家の前にいた。
ディアンヌの鞄の中には傷だらけの少女の姿があった。
少女の名はエリザベスと言うらしい。
目を覚ましたエリザベスは傷だらけの己自身よりもバンやウィル、医者の娘セネットやホークの心配をしていたのだった。

ホークは人よりも自分の心配をしろと泣きながら言っていた。
セネットに父親が殺されたことを話した。
セネットは泣きはしなかったがふらふらと家の中へと入って行った。
エリザベスは自分は大丈夫だからセネットについていてほしい、そうメリオダスに頼んだ。


『(どこまでも人の事を考える娘だな…)』


そんな会話を聞いていたウィルはエリザベスに少なからず興味を抱いていた。
まるで、嘗ての友のように優しい少女…
他人は嫌いだが団長であるメリオダス、メリオダスの近くにいるだけで嫉妬し嫌うディアンヌでさえ心配そうな表情を浮かべさせるエリザベスにウィルは口角を僅かに上げるのだった。

そんな中、ウィルはいきなり腕を引かれた。
見るとバンが自分の腕を掴んでいた。


「バン、ウィルを連れてどこいくんだ?」
「連れション〜♪」
『一人でいけ!!』


ウィルの抵抗も何のその、バンはウィルを連れてその場を離れた。

しばらく歩いていると徐にウィルが口を開いた。


『バン、不躾な気配がついてくるんだけど。』
「あ〜、町のゴロツキ共だろ〜よ♪」
『余所者だから舐められているのかしら。』
「だろ〜な♪」


すると二人は狭い路地裏に入る。
それを待ってましたと言うように気配は急速に近づいてきた。


「お〜♪」
『お約束、かしら。』


そこにはニヤニヤと下劣な笑みを浮かべた男達が数人道を塞いでいた。


「よ〜余所者の兄ちゃん、その姉ちゃんを俺達に寄越しな。」
「そしたら少し痛いめ見させるだけで勘弁してやるよ。」


どうやら女の姿をしたウィルが目当てだったらしい。
まるで、バンが自分たちに従うのが決まっているかのようにゲラゲラと下品に男達は笑っていた。

しかし、忘れてはいけない。
バンもウィルもバステ監獄に投獄されていて、尚且つ二人は【八つの大罪】のメンバーである事を…

数分後、そこには無惨にボコボコにされ、一部身包みを剥がされたゴロツキ共が転がっていたという。


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