大罪への道
□大罪五つ
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気がつけばそこは死者の都に入ったときに来た集落の外れの場所だった。
『戻ったか…』
「結局…私たちを【死者の都】に導いたのは誰の想いだったのでしょうね……?」
エリザベスがメリオダスに問いかける。
ふと、人影に気づきそちらに目を向けるとそこには先ほど死者の都で戦ったギーラの姿があった。
ギーラは己の胸に手を突き刺し佇んでいた。
『これは、なるほど…』
「自分を仮死状態にして【死者の都】に来たわけか。」
「つーことはボチボチ目を醒ますんじゃね!?」
「みなさん早く逃げましょう!」
仮死状態から未だ目覚めぬギーラに一同は警戒を強めた。
「殺そーぜ♪今のうち。」
「野蛮だな…石化させる。」
『どっちもどっちだ。』
「「何だとウィル!?」」
ギーラの事についてバンとキングが始末するか石化させるかで口論し、それを見ていたウィルが五十歩百歩だと呆れていた。
しかしそれを聞いた二人が口論の矛先をウィルに向けたりと、一気に騒がしくなった。
『まぁ、ちょうど良い…最近食事≠していなかったことだし、彼女から貰うとするか。』
そう言ってウィルはギーラの顔を上に反らし、以前ジェリコにしたように口づけをした。
一連の行動を見ていた周りは平然と見ていたりエリザベスの目を遮ったり自分の手で隠したりと各々反応は様々だった。
しかし…
『…ッ!?』
突然ウィルが口を離したかと思うとまるで吐血するかのように真っ黒なモノを吐き出した。
『ゲボッ!ぐ、ガハッ!!』
「ウィル!?」
バンはいち早くウィルに駆け寄った。
口を抑えうずくまるウィルは顔が真っ青になっていた。
「大丈夫か?」
『グッ…彼女は何なんだ…?』
「は?」
『身体は清らかな乙女そのものなのに、魂がどす黒く汚れている…』
結局はギーラの処遇はメリオダスに委ねられた。
一筋の謎を残したまま、一行はその場を後にした。
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