大罪への道

□大罪二つ
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ジュドの最後を見届けたバンとウィルは適当に監獄の中をさまよっていた。


『行けども行けども石壁ばかり、いい加減外の空気を吸いたいものだ。』
「ま、焦ることはね〜さ♪」


空気流れを感じる方向へ進んでいくと何やら話し声が聞こえてくる。


『おや、聞き覚えのある声が…』


二人が声が聞こえた方に行くと、先程逃げた娘と見知った顔がいた。


『おや?』
「あ、バン、ウィル…!!」
「あ、団ちょ…」


そこにいたのは自分達の団長と同僚だった。
しかし、バンと団長メリオダスは互いを睨み物騒な雰囲気を醸し出していた。


「再会早々何、この雰囲気?」


同じ空間にいたしゃべる豚が冷や汗を流す。


「正解。二人ともボクの後ろに隠れた方がいーよ…」


巨人族の少女に促されしゃべる豚と医者の娘は後ろに避難した。


「バーン!!!」
「団ちょー!!!」

しかし、ずっと睨み合っていたバンとメリオダスは雰囲気を一変させた。
二人は走り寄ると高速でハイタッチを繰り返した。


「なんだよ、無茶苦茶仲良いじゃんかよ!!」
『いやいや、それはどうかな?』
「へ?」


仲の良さげな二人を見ていらぬ心配だったと安心したしゃべる豚だったがいつの間にか隣にいたウィルに驚いていた。


「あ、ウィルだ。」
『ごきげんようディアンヌ、相変わらず愛らしいね。』


ウィルに驚きもせず慣れたよう挨拶をする巨人族の少女ディアンヌ。
そんなディアンヌにウィルは彼女の人差し指にそっとキスをした。


「お世辞はいいよ。」


プイッと顔を背けるディアンヌ、しかしウィルはそんなディアンヌの肩に乗って微笑んだ。


『あら、私が仲間(みんな)に嘘や世辞を言ったことがあったかしら?』


すると今まで男だったはずのウィルの姿が見る見るうちに胸が膨らみ身体も丸みを帯びていき、女の姿になったのだ。


「え!?女ぁ!!?」


喋る豚はその光景に目を丸くした。


「だってウィルは夢魔だもん、男にも女にもなれるんだよ。」


ディアンヌは唖然としている一人と一匹に説明をする。


「でもウィル、その格好で女になっちゃだめだよ。」
『あらどうして?』
「男の時だったらいいけど女の姿じゃおっぱい丸出しだよ?」


そう、バンもそうだがウィルは長年監獄で拷問を受けていたため服など着ていない。
そのため上半身裸だったのだ。

『私は人間を誘惑する夢魔よ?気にしないわ。』
「も〜、恥じらいを持とうよ。」


そんな暢気に話していた時だった…


「ほっ!!」

        パンッ

バンがメリオダスをぶっ飛ばしたのだ。
そしてメリオダスは横の壁を何枚か突き破った。



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